前回の話はこちら。
転職活動を開始するにあたり、自分が転職で何を得たいのかが明確となりました。
毎日しっかり寝れる、人間らしい暮らしが出来ることが最低条件。それを満たすには、求人票の勤務時間情報よりも年間休日数から推し量る方が確実性が高いと感じ、年間休日数120日という条件の下で転職活動を始めることにしました。
転職情報サイトの検索オプションで「正社員」「年間休日数120日以上」と設定し、検索を掛けると残ったのは三数十件のみ。
非常に少なく感じましたが、これだけあればどこかしらマッチングするだろうとタカをくくって探し始めました。
会社の所在地が通勤圏内にあれば詳細ページを開き、仕事内容等を見ていきます。
ところが、こうして目星を付けた仕事の詳細を見ると、私には満たせていない『ある条件』が応募資格に入っているのです。
それは・・・
『大卒以上』
これには困りました。年間休日数120日以上も取れる仕事というのは、大半が大卒以上の学歴のある人間にしか用意されていなかったのです。
短大卒の私も、鉄道員の大半を占める高卒でも門前払いということです。
条件がいいなと思って詳細ページを開けば必ずと言っていいほどこの4文字が応募資格に刻まれており、魅力的な仕事と思いながらも涙を呑む思いで応募を見送るということが続きました。
結局複数サイトを股にかけ、全ての情報を漁った結果、大卒以上という条件の付いていない、年間休日数120日以上の募集は2件ありました。いずれもそこそこ名の知れた大企業でした。
というより、年間休日数120日以上の条件で募集している会社自体、大半が大企業でした。
会社はそれぞれ沼津市の隣の三島市、富士市にあり、通勤も静岡市へ通うよりずっと近いので通勤の負担もなくなると思い、早速両方の会社を応募、履歴書を送りました。
結果、両方ともお祈りメールを受信することとなりました。
やはり現実は甘くありません。短大卒で、鉄道という他で役に立たない仕事をしてきた中途の人間を、大きな会社がそんな簡単に採ってくれるわけがないのです。
またJR社員というブランドは転職には全く役に立たないことが、名実ともに証明されることとなりました。
大企業がダメならと、次に検討したのは公務員です。
公務員は短大卒枠があり、28歳くらいまでは転職できると聞いていましたので、当時26歳だった私なら頑張って勉強すればなんとか行けるのではないか?と思いました。
沼津市か、その周囲の市町村の役場の人間として転職出来れば、通勤も容易で休日に関しても間違いなく保証されるという安心感もあり、このときはかなり真剣に考えました。
あろうことか、警察官に応募することまで視野に入れて問い合わせをしていたくらいです。(体力テストの内容を見て断念しました)
そんな人間がこの転職活動から1年もしないうちに逆に警察に逮捕される側となり、今では前科者として生きているわけですから、人生分からないものです。
話が逸れましたが、公務員への転職活動も結果的には断念しています。
主な理由は応募自体が年に1回くらいしか無かったことです。転職を決意したのは確か5月~6月頃で、次の採用は来年の春。試験を受けるまでに半年以上待たなければならず、そんなに待っていては身体が間に合わないと感じました。私には転職をじっくり待つ時間が無かったのです。
そして、最後に中小企業の中から再び条件に合う仕事を洗い直すこととなりました。
しかし、結果は最初の検索と変わらず、中小企業では正社員、年間休日数120日以上、学歴不問などという条件を満たす仕事は全くと言っていいほど存在せず、調べるだけ無駄と言ってもいいくらい見付かりませんでした。
業界を選ばなくても仕事は見付からない。役に立つ資格なしで転職者を受け入れてくれるような優しい会社はない。十分な休みをくれる会社もない・・・非常に厳しい状況となってきました。
日々辛い仕事としている中で、更に転職活動にエネルギーを割いていて、疲労もピークに達した私。だんだんメンタルが押し潰されてきました。
「やっぱりJRで運転士をやれているだけ幸せな立場なのだろうか?」
「会社を辞めたところで、自分には今より良い仕事など何処にも用意されておらず、ここで辞めてしまったら一生後悔することになるのではないか?」
一度決意したというのに、再びそんなことを考えるくらいまで追い込まれてきている自分がいました。
そして悶々と考えた挙げ句、半ば諦めモードで条件を変えました。
「自動車整備士の資格が有利に働くところでいいや・・・」
そんな結論に至り、検索の在り方を見直して再び仕事を探し始めます。
自動車整備士の資格であれば通用するところも多いし、転職も容易になるだろう。
そう思って、自動車整備士として転職活動を行う方針に切り替えた私。
これならすぐに決まるだろうと思っていたのですが、やっぱりやっぱり、世の中は甘くありません。
私は再び現実を突きつけられて追い込まれることとなったのでした。
次回に続きます。
この話の続きはこちら。
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お疲れ様です
ところが、こうして目星を付けた仕事の詳細を見ると、私には満たせていない『ある条件』が応募資格に入っているのです。
そうでしょう。短大卒は実質高卒のため学歴がたとえFラン大学より低いのです。JRに限らず自動車メーカーの高卒も案外苦戦します。うちの会社でも大卒しか採用しませんし、高卒は新卒か10年以上キャリアのある人だけです。
結果論の後だしですが個人的にはフリーターになってでも公務員試験を受けて警察官を本気で受けるのがよかったと思います。静岡県だけでなく、実家通いは不可能ですがすぐに帰省できる東日本には神奈川県、警視庁と受験回数が他の地方より多くチャンスがあるためです。
こんなこという複雑な気持ちになるかもしれませんが執行猶予がなくなったのならもう一度警察官を目指してはどうですか?まだ受けれますし、本当に人生最後のチャンスになりますよ。
今の日本では一度前科付いてしまった人は警察官の試験では確実に落とされてしまいますよ。
一度過ちをおかした人への寛容さがないんですこの国は
>匿名さん
コメントありがとうございます。
おっしゃる通り、前科持ちが警察官になることは事実上不可能ですね。逮捕される側の人間だって、元犯罪者の警察官に捕まるのは不本意この上ないことだと思います。
全ては過ちを犯した人間への寛容さがないこの国で、過ちを犯すという選択肢を取ってしまった自分自身が招いた結末です。
現状を甘んじて受け入れ、幾多の制約があるなかで残りの人生を生きることが、私に与えられた選択肢であると思って生きていくしかありません。
>西日本さん
いつもコメントを頂きありがとうございます。
残念ながら、前科持ちは警察官になることが出来ないのが現状です。受験資格が無いとまでは言いませんが、確実に受からないのは確かです。
そして、留置場で過ごしている間に警察官の仕事ぶりを垣間見て感じたことですが、公務員という安定した立場を得るために失うものがあまりに大きい気がして、私のような人間にはとても堪えられない仕事だと感じました。
いつも私のことを案じて下さり、様々なアドバイスをありがとうございます。色々なアプローチをご提案頂いて、その度に真剣に考えさせて頂いております。