前回の話はこちら。
人は目標を失った時、急激にモチベーションが下がります。
それは頑張る理由を失うからだと思っていて、何のためにこれをやるのか?が分からなくなってしまうからだと考えています。
目標を失う瞬間というのは誰もが経験しているかと思いますが、それが訪れる時期というのは人それぞれです。
部活を頑張っていた人は目標の大会が終わった時かもしれません。
高校や大学受験を頑張っていた人は、合格を得た瞬間に目標が無くなってしまうのかもしれません。
家族のために頑張っていた人は、家族がいなくなったら頑張る理由を失うかもしれません。
中高一貫校の中退を諦めてそのまま高校へ上がった私は、鉄道会社への就職という目標を失って見る見る堕落していきました。
この学校で勉強を頑張ったところで、憧れの鉄道会社には入れない。
鉄道会社での仕事以外にやりたいこともない。
じゃあなんで今勉強しなきゃいけないの?
そんなことを考えて、学校での勉強に対する意欲もほとんど無くなってしまいました。
成績は見る見る悪くなり、赤点教科がいくつも出てくるようになりました。
物理部という部活に所属していたのですが、物理テストの点数が一桁なんてこともありました。
そんな成績を危惧した母親が無理矢理学習塾に入れましたが、塾の教師とケンカして辞めてしまうという有様。
趣味としての鉄道への関心も薄れてしまい、少ないお小遣いを貯めて集めてきた鉄道模型はホコリまみれで放置。通学電車の乗り方もロングシートに乗って寝るだけ。電車を見に行ってカメラを向けるようなこともしなくなっていました。
自分の中で目標として支えになっていた柱が無くなり、やがて他の分野に流されやすい人間になっていきました。
グレて非行に走るところまでは行きませんでしたが、友達に誘われて他の遊びに楽しみを見出すことが増えました。
エアガンを買ってサバイバルゲームに熱中することもあったし、それに飽きればホビーラジコンにハマって、エアガンを中古で売って得たお金を丸々注ぎ込んでいたりしました。
唯一鉄道に関する接点といえば「A列車で行こう」というゲームにハマった時期があり、学校では授業中にノートの下でどんな街を作ろうか設計図を描いて過ごしていたこともありました。
現実世界での鉄道の夢を諦めた自分にとって、妄想世界でのみ実現できる唯一の理想郷だったのかもしれません。
根っからそういうオタクっぽい遊びが好きだったのでしょうが、高校時代は将来のことよりも、目の前にある楽しみを追い掛けるようになって、どこか自暴自棄になっていたと思います。
それでも学校での友達関係は良好で、同級生たちと楽しく学校生活を過ごしていたと思います。
しかし現実から目を背けるかのように惰性で過ごしていた高校生も気付けば3年になり、いよいよ進路を考えなければならない時がやってきました・・・
時間というのは、時には薬にもなり、毒にもなると思います。
私にとって高校時代を過ごした3年間は、荒んだ心を癒す薬の時間でもあり、将来の可能性を大幅に狭めた毒の時間でもあったような気がします。
あなたが今過ごしている時間はどちらでしょうか?
毒になっていると思う時間の使い方をしているのであれば、どうすれば薬になるように使えるかを考えてみるのも良いかもしれません。
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