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内定式の最中に居眠りした結果・・・

前回の話はこちら。

天国への道? ~夢が叶った人間の心理~

内定を頂けたことへの興奮冷めやらぬうちに、内定式へ行くことになりました。

確か10月頃だったように思います。まだ暖かい季節でした。

どんなことをやるのか良く知りませんでしたが、名古屋駅周辺に指定されていた会場へ向かいました。

 

ビルに入ると「JR貨物内定式」と書かれた看板が立っている部屋があり、そこへ入ると既に大勢の内定者たちが集まっていました。

広い会議室に結構な人数が集まっています。40~50人くらいは居るように見えました。

大半は現在高校生なわけで、二十歳の私から見ても18歳は若く見えました。

これからこの人たちが同期になるのです。まだあどけなさの残る彼らの姿は、少し初々しく見えました。

一方で、明らかに私より年上と思われる人たちも10人くらいいました。

四大卒くらいの年齢と思われる人もいるし、明らかに30歳を超えているように見える人もいました。恐らく転職組なのでしょう。

 

内定式で何をやったかは、実はあまり覚えていません。

ただよくある○○式のように、眠くなるお話が続いていたことは覚えています。

途中で睡魔に耐え切れず眠ってしまった人物がおり、突然前に立っていた課長が発狂したのが一番の想い出になってしまいました。

「おい前から2番目!!!なに寝とんだ!!!?」

名古屋弁の混じった怒号は静岡人にとっては新鮮で、迫力がありました。

「お前これから覚えとけよ!!」

いきなりお偉いさんに悪い意味で覚えられてしまった彼は、その後の新入社員研修でも苦労するのかもしれません。

少し可哀そうに思えた反面、鉄道会社に入れることに目が輝いていた私は、こんな場で眠ってしまうその人のことを少し軽蔑してしまいました。

ですが、その後彼とは良い友達になることが出来ました。何年経った後でも、あの時のことは話題になったものです。

 

内定式が終わると会社が用意してくれた昼食が出され、昼休みを挟んで支社ビル内や社宅の見学に連れて行って頂けることになりました。

学生時代、親以外の人間が食事を出してくれることなどありませんでしたので、会社で働くということはこういうことなのかと、変な勘違いをして感動している自分がいました。

社宅は新築されて日が浅くとても綺麗で、ワンルームでしたが独身の一人暮らしにはちょうど良いサイズでした。

家賃も5000円と非常に安く、ほとんど無料みたいなものです。

そしてJRの社員といえば、電車に安く乗れるというイメージをお持ちの方が多いと思います。

旅客会社の場合は自社の普通運賃が無料、料金券が半額という体制だそうですが、他社エリアにいけば一般と変わらない運賃です。

一方貨物の場合は、全国一律で乗車券・料金券が半額となっているそうです。もちろん年間使用額の上限はありましたが。

つまりいつまでも子供料金で電車に乗れるようなもので、鉄道好きだった私には願ってもない待遇でした。

さすが大きい会社は福利厚生がしっかりしているなと思いましたし、求人票に書かれた給料も初任給は安めでしたが、学生の金銭感覚だった私はきっとこれくらいが普通なのだろうと思っていました。

10月に内定式があった後は、翌年3月に入社説明会があり、4月1日に入社という流れになるそうです。

説明会が近くなったら再び案内を出すとアナウンスされ、内定式は解散となりました。

 

あとは残りの在学期間を満喫し、資格をしっかり取って卒業するだけです。この期間ほど人生でワクワクしていた時間は無かったように思えます。

 

この話の続きはこちら。

学生時代の終わり。人生で最も輝いた時間

ストーリーを最初から読まれる場合はこちらからどうぞ。

鉄道会社で働くことへの憧れ ~将来の夢にどんな絵を描いたか?~

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