前回の話はこちら。
自分にとって非常に大きな目標が達成された時、あなたはどんな行動を取るでしょうか?
大声で叫びながら喜ぶ人もいるでしょうし、涙を流しながら喜びを噛みしめる人もいるでしょう。
そんな普段は見せない行動を取ってしまう背景には、どんな心理が働いているのでしょうか。
それまでの努力を思い返して報われたことに喜びを感じるのか?
報われたこと自体に驚いているのか?
それとも夢が叶った後の将来にときめいているのか?
いずれにしても、大きな目標が叶えられた瞬間は、アドレナリンが大量に出ているかのように興奮する人が多いでしょう。
多くの人にとって大きな目標である入社試験での内定というのはあくまでプロセスであり、目的地ではありません。
後から冷静に考えれば大して喜ぶ出来事ではなかったとしても、大きな目標が叶った先の将来は明るく見えてしまうものです。
今日は、そんな脳みそお花畑状態になっていた時の自分について書きたいと思います。
この記事を読まれている皆さんは客観的に見て頂き、ご自身にそういう状況が訪れた時に冷静な判断をして頂ければ幸いに思います。
二次試験から数週間後、学校から電話が掛かってきました。
ちょうどその時は下宿のアパートにいて、同じアパートに住む同級生の部屋で夕飯の支度をしていました。
「今日JR貨物から連絡がありまして・・・おめでとうございます。内定でした!」
そう言われた瞬間、全身の血が沸き上がるように喜びが溢れてきました。電話しながら飛び跳ねて喜んでしまい、部屋にいた友達はちょっと引き気味で笑っていました。
内定式や入社説明会に関する案内を一通り聞いた後で電話を切ると、「よっしゃぁー!!!」と、一声叫びました。
今日は祝杯だといってアパートを抜け出し、スーパーで炭酸ジュースとおつまみを買い込んできました。
入社試験の交通費も人に借りたくらい金欠がひどい時期でしたが、この日ばかりはお構いなしに大盤振る舞いしたい気持ちでした。
中学生の頃に諦めた鉄道会社で働く夢。
自動車整備士という全く異なる業界を目指して進みかけていたのに、それが迂回路のように繋がって5年の時を経て叶ったのですから、その喜びは本当に筆舌に尽くしがたいものでした。
電話で内定と聞いた時、まるで天国への道が開かれたような感覚になり、
「これで自分の人生は約束された。文字通り敷かれたレールの上を走って、好きな鉄道に触れながら定年退職まで過ごせるんだ。」
今思えば甚だ浅はかでしたが、当時はそんな風に思えて、とても満たされた気持ちになりました。
その日は遅くまで友達と飲み明かし、ゲームをやって盛り上がったりして、いつまでも内定の喜びを噛みしめていたのでした。
それが人生崩壊の始まりであることも知らずに・・・。
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