閉じる

自分の居場所の見極め方 ~脅威かご褒美か?~

いつもお読み頂きありがとうございます。先日ブログの読者さんからこんなメッセージを頂きました。

「加納さんにとって、結局JR貨物は働くべき会社ではなかったということですね。好きな仕事を辞めるのは辛かったと思います。私も今いる会社を辞めるべきか悩んでいるのですが、辞めるべき会社かどうか判断する基準はありますか?」

メッセージを頂けてとても嬉しいです。

おっしゃる通り、好きで始めた仕事を結局辞めているわけで、自分の中で張っていた糸がどこかで切れてしまったのだと思います。

辞めるまでの経緯については今後書いていきたいと思いますが、今回は頂いたメッセージへのお返事として、あなたが今いる会社を辞めるべきかどうか、私なりに判断基準としたら良いと思うことを書かせて頂きます。

 

皆さんは日々学校や会社に通って生活しているかと思います。

当たり前の習慣になっているので今更考えることはないかもしれませんが、毎日通っている学校や会社へ行くことは、あなたにとって楽しいことで、本当にやりたいことなのでしょうか。

中には勉強が楽しくてしょうがない人や、会社で働くことが楽しくてしょうがない人もいるかもしれません。

ですが大半は他の理由付けがあると思います。

 

学生さんなら将来仕事を得るため・・・

サラリーマンなら多種多様でしょう。

日々の生活を維持するため・・・

家族を支えるため・・・

借金を返すため・・・

 

いずれも仕事をして収入を得なければ自分や家族の生活を守ることが出来なくなってしまいます。

そういった強迫観念があるために行きたくもない会社へ毎日通い、やりたくもない仕事を淡々とこなしている人も多いのではないでしょうか。

要するにお金のために嫌なことを我慢しなければならない。

そんな状況は非常に多いと思います。

ですが、どうせお金のために毎日働かなければならないのであれば、やはり楽しく働きたいし、目標を持って頑張りたいものです。

 

では会社で働くことが楽しくなったり、もっと頑張りたくなるには、どのようなことが起こればいいのでしょうか?

良い人間関係や高い給料など、すぐに思いつくことはあります。

ですが高い給料を貰っている会社でも、それが当たり前になれば不満を持って労働組合などを通じて更なる要求をし始めます。

良い人間関係だけでは、いずれマンネリ化してやる気が続かないかもしれません。

 

私の結論は、自分が努力して「出した結果」が報われることだと思います。(努力しているだけで結果が出せない場合は別だとお考え下さい。)

その報われ方は多種多様かもしれません。

ボーナスを増やしてもらえること。

上司や先輩から褒めてもらえること。

会社に表彰されること。

お客様に感謝されること。

昇職の推薦をしてもらえること。

やはり人というのは、誰かに自分を認めてもらえた時に強い喜びを感じるものだと思います。

お金だけではなく、褒められたり感謝されたりすれば、自分が頑張って出した結果が報われたと感じ、その仕事にもやりがいを感じることでしょう。大きい会社ならば、一人の人間としてその存在価値を認めてもらえた時とでも言うのでしょうか。

 

それとは逆にどんなに給料が良かったところで、良い仕事をしてもそれが当たり前とされて誰からも認めてもらえなかったら、いずれやりがいが無くなって続かなくなってしまうと思います。

とても給料の良い会社だって、辞めてしまう人もいます。

そういった人が辞めるきっかけは、この部分にあるような気がしています。

実際私も6年半サラリーマン経験をして、この部分の大切さは肌で感じました。

 

「ブラック企業」という言葉が定着し、誰もが「ホワイト企業」に勤めたいと考える時代になりました。

転職も昔と違ってやりやすくなり、数年で会社を辞めることがハンデとまでは言えなくなりつつあります。

仕事というのは、人生で最も多くの時間を費やすことになる行為です。

だったら少しでも自分にとって良い環境で仕事をしたいと思うのは、人間として当然の考えだと思います。

 

あなたが今やっている仕事は、本当にあなたにとって相応しい居場所なのでしょうか?

 

その簡単な見極め方として、自分なりに出した結論が一つあります。

それは・・・

 

何か仕事を与えられた時、失敗した時の罰を教えられるのか?成功した時のご褒美を教えられるのか?

 

あなたの働いている会社やその上司がどちらを教えてくれるのかで、あなたが報われる場所かどうかを判断してしまって良いと思います。

私の場合ですが・・・

「事故を起こしたら日勤教育だし、給料やボーナスもカットされる可能性だってある。最悪二度と仕事に復帰させてもらえなくて他職に左遷されるかもしれないな。そしたら昇職試験も絶望的だし、お前の道は閉ざされることになるだろう。だから事故を起こすな。」

仕事に対しては大体こんな感じの教育方針で、とにかく失敗した時の罰を強調して脅威を与えられ、だから気を付けて仕事をしろ。と言われているように感じていました。

訓練があれば過去の事故の映像を見せられたり、他所で発生した事故のネタを持ってきて、それをベースに訓練を行うわけです。

「こういう事故を起こせば運転士として働けなくなるから、お前たちも気を付けろよ。」

常にそう言われているように感じました。事故=処分というパターンを何度も刷り込まれて、常に事故に怯えながらハンドルを握る。

逆に、何年無事故で働き続けても、それが褒められることは滅多にありませんでした。

無事故で良い仕事をするのは当たり前、失敗すれば徹底的に潰す。

そんな風潮の中で働いてきたように思います。

もしこれが逆だったらどうでしょう?

「皆さんが安全に仕事を続けてくれれば、会社の売上も伸びてベースアップやボーナスも増えることでしょう。5年間無事故だった社員には特別褒賞でボーナスが1ヵ月上乗せされるし、支社に呼ばれて表彰もあります。これからも会社にとって大切な社員の一人として、日々の仕事をよろしくお願いします。」

どちらの言い方でも、同じ無事故を目的としているはずです。

ですが、会社がこういう方針で上司がそう言ってくれたら、きっと格段にやる気も出るだろうし、あなたが社員だったらより積極的に安全に気を遣って仕事をするようになるのではないでしょうか。

良い仕事を続けて(安全な仕事)、出した結果(無事故)が報われる(ボーナス/表彰/上司のねぎらい)。

もしこういう社風の中で働けていたら、きっと定年退職まで目を輝かせて働くことが出来たと思います。

 

会社という大きい組織の中に居たら、一人の平社員がその組織の方針を変えることはまず出来ません。

だからこそ、あなたを大切にしてくれる会社が見つかるまで転職し、あなた自身が居る場所を移すことが、より良い人生を送るための近道なのではないかと思います。

皆さんの勤めている会社はどちらですか?転職を考えている人は、一度じっくり思い返してみて下さい。

また質問など頂いたら記事にしたいと思います。

コメントを残す

あなたのメールアドレスは公開されません。

© 2024 運転席と塀の中 | WordPress Theme: Annina Free by CrestaProject.