前回の話はこちら。
更新の間隔が開いてしまいました。誰も読むことなどないだろうと思って途中で放っておいたブログでしたが、読者さんから温かいお言葉を頂けて嬉しく、モチベーションが出てきましたので続きを書きたいと思います。
このようなブログですが今後ともよろしくお願いいたします。
前回、転勤が決まって初出勤が年末だった話題に触れました。
運転士として養成を受けることが決まり、配属されたのは「静岡総合鉄道部」という職場の運転課という所でした。
ここは国鉄時代に「東静岡機関区」と呼ばれていた職場で、駅や保線などが統合されて現在の名称になったようです。
初出勤が年明けになっていれば、気持ちも新たに新しい職場へ出向くことが出来ると思っていたのですが、残念ながらそれは叶いませんでした。
吉原駅では9連休設定されていた年末年始休暇も、新しい職場では5連休。なんだか損したような気分でした。
初出勤というのは本当に緊張します。吉原駅と違って大勢の社員がいるし、どこか空気も張り詰めているように感じて、運転課の扉を開けるのに躊躇した記憶があります。
指導員や課長のいるエリアへ入ると、精一杯の声で挨拶する。
「おはようございます!今日からお世話になる加納と申します!よろしくお願いします!」
どこを見て言ったのかも分からない。むしろ誰にも目を合わせたくない。そんな気持ちで初めての挨拶をしました。
挨拶が終わり少し冷静になって辺りを見渡すと、職場にいた人は色々な反応を示していることに気づきます。
しっかりこちらを見てくれている人。
チラ見して仕事に戻る人。
まるで私が空気かのように無反応で淡々と業務をこなしている人。
同僚の数が多いと色んなタイプの人が居るなと思いました。
挨拶を終えると一人の指導員が立ち上がり、こちらへやってきました。どうやらその人がこれから見習いとしての養成期間、面倒を見てくださるそうです。
とりあえずその場をサポートしてくれる人が現れて安心します。
続いて課長にも挨拶をしました。当時の課長は国鉄時代から勤め上げてこられた人で、コワモテで声に張りのある人でした。
挨拶を終えると最初の一言・・・
「お前な、辞めるなら今だぞ」
いきなりそう言われて驚き、少し萎縮してしまいました。
ですが、今思えばこの一言が全てを暗示していたのではないかと思います。
もしここで早々に辞めていれば私は今、全く別の人生を生きていたでしょう。
身体を壊すこともなく、前科が付くことも無かったかもしれません。
お前がより良い人生を生きるのに、ここは相応しい場所ではない。
今の私にとっては、あのときの課長の言葉はこういう警告を私に伝えてくれていたように思えてなりません。
しかし当然当時の私にはそんな風に受け止められる訳もなく、憧れの運転士になるためならどんな苦労も乗り越える!
そんな気持ちで「いいえ、がんばります!」と返事をしたと思います。
始業時間になるとラジオ体操があり、外の駐車場で体操してから屋内に戻って朝礼があります。いかにも大企業という感じ。
そして12月28か29日だったこともあり、この日は内勤の人間は大掃除をすることになっていました。
まだ使ってもいない職場を掃除する。これは新人を試すための策略なのか?
そう思ったりもしましたが、とりあえず指示された場所を丁寧に掃除し始めます。
鉄道の現場は365日休むことがないのが基本で、常に人が出入りしている環境です。そのため日常の掃除では行き届かない部分は想像以上にホコリが溜まっていました。
本当ならお世話になった吉原駅の大掃除をしたかったのが本心でしたが、これからお世話になる職場なのですから、手を抜かずに頑張ろうと思いました。
まだ会う人会う人みんな知らない人で、目が合うたびにハジメマシテの挨拶をしながらの大掃除は心身ともに疲れ果てました。
掃除はその人の性格が出るといいますし、新人に掃除をさせればどのような人物か概ね見極められるのかもしれません。
もちろん職場の上司がそのような目線で私達を見ていたかは分かりませんが、新人は雑用からという流れは多くの会社に存在するでしょう。
もしあなたが初出勤の職場で雑用を任されたら、そこで人間を試されていると考えた方が良いかもしれません。
逆にあなたが職場の先輩であれば、新人にまず掃除などの雑用をさせてみたら、その人間の素性が分かるかもしれません。
掃除もちゃんと出来ない新人に、大切な仕事を任せようとは思わないのが人情というものです。
若いうちは自分なら何か大きな仕事が出来ると、自身の可能性に期待している人も多いと思います。
そんな時にホウキを持たされて掃除を命じられたら、いきなり気持ちが萎えてしまう人もいるかもしれません。
特に転勤や転職者は過去の実績を持っているわけですから、新しい職場での扱いに最初は不満を感じることもあると思います。
ですが、そういう誰もやりたがらない雑用をどれだけ丁寧に出来るかで、上司が自分自身をどんな人間なのか判断してくれるのだと思えばやる気も変わってくるはず・・・。
新しい職場でのスタートは第一印象が大切です。これから新たな道を生きる人は参考にしてみて下さい。
初出勤での大掃除が終わり、初日だというのに「来年もよろしくお願いいたします。」と言って帰るのは変な気分でしたが、とりあえずどんな職場なのか見られただけでも、年末年始の休暇は安らかに過ごせたように思えます。
そして年明けからは、いよいよ運転士としての養成が始まるのでした。
この話の続きはこちら。
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読者さんというのは私のことでしょうかw
なかなか面白かったです
やめるなら今のうち、がまさに的を射ていますね
あと、気に入ってら申し訳ないのですが背景のインド模様は結構読みにくいです。真っ黒か貨物にちなんでコンテナブルーの単色にすることをすすめます。
>1. 雨も滴る良い名無しさん
コメントありがとうございます。お名前のところにペンネームなど入れて頂けましたらどなたか把握出来ますので、差し支えないようでしたらお願いいたします。
人間、生きていれば後悔することが増えていくものとは思いますが、あの一言を真面目に受け取っていれば・・・と思う度、深い後悔が湧き上がってきます。
背景の件につきまして、PCで閲覧される際は黒一色の設定になっていたのですが、スマホで御覧頂いた際の背景表示設定を誤っておりました。ご指摘頂きましてありがとうございます。
それでは、西日本とペンネームをつけますw
やっぱり黒一色のほうがみやすいですね。お疲れ様です。
たまに、ふと読みたくなりますw
偶然このブログにたどり着き
全部読みました
続きが気になります!!
>西日本さん
スマホページのチェックは行っておらず、ご指摘頂き助かりました。ありがとうございました。
今後も時々ではございますが、更新して参りますので何卒よろしくお願いいたします。
>momoさん
情けない内容のブログにもかかわらず、全てお読み頂きありがとうございました。
今後ともよろしくお願いいたします。